来世を探れ
発売日 | 2021年8月9日 |
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プラットフォーム |
PS4/PS5/XONE/XSX/Switch/Steam/ |
ジャンル |
パズルアドベンチャー |
HP |
PSplusではEXTRA&PREMIUMにてPS4/PS5版が配信中。
主人公は小さな島に建つ博物館の心優しき館長モリス・ラプトン。既に亡くなり、幽体となった今でも愛すべき故郷を散歩することが日課だった。
そんな死後の日常で、大好きなシェルマストーン島が火山の噴火によって崩壊寸前であることを知ったモリスは、かつての愛犬スパーキーと共に、故郷を守るため与えられた使命を果たすことを目指す。
人はいつか必ず死ぬ──
けれど、その人が触れた「物」や関わった人の中で「思い出」は、死後の未来でも「形見」として生き続ける──。
そんな「形見」を、幽霊の特別な視点─物を透かしてみることができる能力─で「宝探し」のように発見していくパズルアドベンチャーゲーム。
一見ホラーゲームのようなタイトルですが、ポップなグラフィックデザインと癒しの音楽が美しい、温かさと優しさに溢れるゲームでした。
島を救うためのガーディアン候補が生前暮らしていた街で、現世に残る数々の「思い出」にピントを合わせることで、その人物が何を「形見」としていたのかを探り当て、この世に取り残された「形見」を見つけ出す。
この「宝探し感」が抜群に面白い。
閉じられた箱の中身は勿論、土の中や機械の歯車、冷蔵庫のシチューの断面まで。まるでレントゲン写真のように覗き見ることが出来てしまう。
なんでこんな隙間にこんなものが?という日常生活での共感的面白さや、住民が去った後にも残り続けるあらゆる「形見」に対して感じ入る部分も。
薄れゆく記憶の中にも確かに残る「思い出」にスポットライトを当てていく過程も、「記憶から消えない限りその人は生き続ける」ということが見事に表現として描かれていて素敵でした。
死者を思い、死者を追悼することで見えてくる人と人との繋がり。そして、形見を集めることで進行していくストーリー。
ラストの余韻も含めプレイ後感も素晴らしく、日本語訳もほぼ完璧。遊び心のあるテキストや、モリスのひととなりがイメージしやすい口調も嬉しい。
死後の世界、そして混在するファンタジー要素も世界観やグラフィックと非常にマッチしていて違和感なく溶け込んでいました。
他にも名称ヒントを元にその物を探し出す「ウェスタブルクイズ」や、スパーキーと共に隠れた「グレンキン」を見つけ出して収集するといった寄り道要素も多数存在。
こちらも透かしてみる能力がフル活用。
エリア内に点在する様々なアイテムを様々な角度から透かしてみることで不思議な断面図のピースが完成。シルエットから奇妙な妖精が飛び出してきたり、提示されたワードからその物を特定するなど、ちょっとした謎解きや視覚探索絵本感覚で面白い。
クリアまでの所要時間は5時間ほど。
ストーリークリアと同時にトロフィーも全て取得可能で、先述した寄り道要素を全てクリアする必要有。
おじいちゃん主人公のアドベンチャーゲームにハズレなし。
普段何も考えずに生きてるので、ゲームで定期的に死生観について触れられるのは助かります。
大切な人を思い出しながらプレイするのも良いかもしれませんね。