───神を、ハッキングせよ
発売日 | 2022年7月28日 |
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プラットフォーム |
PlayStation4/NintendoSwitch/ |
ジャンル |
メタ科学アドベンチャー |
HP |
2015年の初報から実に7年。
これまでの科学アドベンチャーシリーズタイトルとの繋がりを感じつつ、その繋がりや概念をまるごと破壊するSFメタ科学アドベンチャー。
物語の舞台は2037年の東京・中野。
仲間との通話や各種検索機能へのアクセス、マップ表示、更にはAIカノジョまで。
デジタル、【AR】の恩恵が至る所に見受けられる近未来な世界観。
”困ってる人を放っておけない将来有望の名無しさんたち”を信条に、「中野シンフォニーズ」として活動する若きハッカー:高岡ポロンは、謎の少女愛咲モモとの出会いをキッカケに、”Cicada3301”から提示されるクエストや来る"2038年問題"、そして世界の存在意義をも揺るがす巨大な陰謀に立ち向かう。
正義感が強く行動力があり、明るくコミュニケーション能力もある……今までの科学アドベンチャーシリーズの登場人物達とは対比的存在を極める王道タイプの主人公で、ストーリーもデジタル&科学要素を除けばわりと少年漫画ド真ん中の王道展開。
インタビューでも語られているように「分かりやすさ」に重点を置いた本作は、そういう意味ではとても 分かりやすかった です。
ゲームの分岐を担う"セーブ&ロード"はハッキングトリガーと呼ばれる名称でワンクリックで実行可能で、ポロンとの掛け合いを楽しみながらプレイヤー自らハッカーのようにこのゲームの進行に介入。
ポロンとプレイヤーがこのチート級の未来予測を駆使しながら共闘することで物語は進行していくので、ゲームプレイとしてとても分かりやすい。
バッドエンド直前にこの"セーブ&ロード"を実行しようとするとポロンが「分かってるじゃねぇか!」と共感してくれたり、逆にここで"セーブ&ロード"できたら良いんじゃ?と思うタイミングでは「違う!」「今じゃない!」というリアクションが返ってきたり…。
共闘であり喧嘩しあうような距離感や掛け合いは楽しかったし、感じるコダワリ。
セーブ&ロード、世界を救う……この2点を軸にストレートでコンパクトに物語は展開していくため分かりやすい反面、「分かりにくい」部分も大量に存在。
とりわけ世界観描写、日常シーンの少なさ。
ストレートでコンパクトだからこそ、主人公以外のキャラクターの人物像がほとんど見えてこない。
決められたポイントで"セーブ&ロード"で「ちゃちゃを入れる」ことで分岐する限定エピソードが多少用意されているはけれど、そこから特に話が広まったり深堀されることもなく、なんとも言えない肩透かし感。
ED曲なども担当しているアイドル警察サイバーフォースドールや、凄腕ロリっ子技師のノンノちゃんも、出番や活躍こそあるもののただ「必要だからいる」だけの存在で終わってしまったのが正直めちゃくちゃ残念で仕方がない。
探偵も学者も警察も、ストーリー進行に必要なジョブがパロメーターとして用意されただけというか。
描写不足でキャラクターに感情移入しきれなかったのが悔やまれるけれど、このゲームの性質上「そういうもの」で片付けてしまうことすら可能なんですよね。何とも言えないもどかしさ…。
シュタゲプレイ済のプレイヤーなら思わず反応してしまう繋がりやサプライズがあったのは嬉しかったですけどね。
(⇩小文字で吐露するネタバレ含愚痴)
このゲームでちゃんとした"自我"を感じたのポロンとモモとアスマとJUNOだけなんだよなぁ…。でもアスマくんの駄々っ子暴走は可哀想だけどちょっと笑っちゃった…。「将来有望の名無しさん~」もやたら連呼してたけど全然気分高揚しなかったし、バンビの警察入りの理由とかオズのトラウマとか「だから…どうした…?」と思ってしまって申し訳ねぇ…。YESマンすぎる相棒クロスも、仲間入りは拒むのに協力的なウインドも、オズも、ロザリオも…最後まで裏切り展開疑ってたんだけど真の仲間だったんだな…。ノンノちゃんもっとキャラ立たせてあげてほしかった…ノンノ語録かわいかったゾ…。
コミック風表現のカットシーンや、画面全体にAR情報が広がる近未来表現、徹底リサーチを元にした科学・オカルトネタ、王道×王道の主人公とヒロインの取り合わせなどなど・・・「良かった」「面白かった」と思える部分も勿論たくさんあったのだけれど、
待ち焦がれた時間、シリーズ新作として高まってしまった期待感・・・そして傑作ADV続きのこのタイミングでの発売に関しては、正直時期を逃してしまったな、という感想は否めないです。
あと5年は早ければなぁ…。
システム面はやや分かりにくい部分が多かった印象。特にバックログ。ポロンが会話に参加してないシーンはログを表示することすら出来ないのは(世界観設定のため?とはいえ)やっぱり不便。
オートセーブが細かいのは助かるけど、スキップ操作での読み送りは誤爆しがち。
セーブ&ロード機能での分岐も入力受け入れポイントがめちゃくちゃピンポイントだったり分かりにくい部分が多くてR2ボタン連打せざるを得ないにも関わらず、ポロン君の執拗な拒絶リアクションに気持ちが萎えてしまう瞬間も…。
クリア&トロコンまでの所要時間はボイスフル再生で17時間ほど。
CG回収やバッドエンド回収のための分岐には件のセーブ&ロードが必要になってくるのだけれど、バッドエンドリストが無いのでまさに総当り。実質2周回分はプレイしたかも。
なんにせよ長年言い続けた「アノニマスコードはよ!」がついに言えなくなってしまったことについては心から目出度いと感じているので次は「シュタゲゼロエリートはよ!」を唱える作業に移行したいと思います。
科学アドベンチャーシリーズが好きなんですよ僕ぁ~~~!!!!!
あまりにも主人公顔すぎるクロスが主人公の派生作品爆誕に1ベットくらい賭けておこうかな。アノニマスコードDaSHでダルおじさんにバンビちゃんhshsしてもらうも可。シミュレーションなら何でもできるので実質最強。
シュタゲゼロエリートはよ!ついでにオカン完全版もはよ!
ポロン君とモモちゃんの世界に幸あれ🍑