太陽と月の力を備えた「至点の子」の物語
発売日 | 2023年8月29日 |
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プラットフォーム |
PlayStation®5/PlayStation®4/ Nintendo Switch™/Xbox Series X|S /Steam |
ジャンル |
RPG |
STORE |
- Xbox Game Pass、PlayStation Plusカタログタイトルとして配信中(※23年9月時点)
- パッケージはNintendo Switch版のみ販売予定
邪悪な錬金術師「フレッシュマンサー」が作り出した怪物に蝕まれつつある世界。唯一の対抗策となるのは、太陽と月の力を組み合わせた「日食の魔法」を操る選ばれし”至点の戦士”たち。
そんな”至点の戦士”としての運命を背負い、鍛錬を積んだ2人の主人公ゼイルとヴァレア、そして幼馴染の"お料理戦士"ガール。
大親友3人とさまざまな仲間達との大冒険と、壮大スケールの物語が描かれるドット絵テイストのRPG。
開発はカナダのSabotage Studios。
架け橋ゲームズのローカライズにより日本語テキストにも対応。
90年代(特に旧スクウェア&エニックス)のJRPGテイストをふんだんに盛り込んだ、愛と情熱に溢れる傑作でした。
主人公はゼイル・ヴァレアのいずれかを選択可能(道中で変更も可)。
シンプルで分かりやすいストーリーラインに沿いながら、泳ぐ、登る、ジャンプする、飛び降りる、持ち上げるなどの複数の動作を用いて街中やダンジョン内を探索。
複雑な操作は一切なく、謎解きによるギミックの解除や宝箱の収集など、王道でいて充実感のある「あの頃のJRPG」が思う存分に堪能できます。
まさに「あの頃」の延長線上。もしプレステやサターンが発売されない世界線だったら…と思いを馳せてしまいたくなるほどにSFCゲームの完成形。
物語のオリジナリティ自体は高いのだけれど、それでいて「これだよこれ!」な懐かしさがたっぷり。JRPGを愛しリスペクトしてくれていることを節々に感じられる喜び。
登場するキャラクター達もかなり魅力的で、特に主人公の幼馴染であるお料理戦士ガールはもう一人の主人公としてめちゃくちゃ輝いてました。
謎のアサシンや陽気な海賊、動物や魚を模したさまざまな種族や天空人など、レパートリーも完璧。
ドット絵テイストながらキャラクターの表情や仕草はバリエーション豊かに表現されていて、登場人物への愛着や物語への没入感をより一層強めてくれます。
クロノトリガーなどで知られる光田康典氏がゲストコンポーザーとして参加しているサウンド面もとにかく素晴らしく、日食の魔法を使って時間帯を変化させることでBGMも昼・夜でガラっとテイストが変化するのもたまらない。
キャラクターによっては専用BGMも用意されていて、とあるシーンではそのBGMが流れた瞬間にグっときて思わず涙。耳にも心にも残る名楽曲たち。
新しい街に到着するシーンや物語の重要なイベントシーンではアニメーションによる演出も搭載。この辺りも作品の質をより高めるこだわりが感じられて非常に好感触。
更にJRPGの定番要素でもある釣りや料理、そしてオリジナルミニゲームの"ホイールズ"も搭載。
新たなフィールドに辿りつく毎に釣り堀に寄り道できるのも気分転換としてほどよい骨休め。ホイールズは使用する駒の組み合わせを考える戦略性と運と絡めたゲーム性がボードゲームとしてかなり高クオリティ。単品別売りでも遊びたいレベル。
魔法使い優秀、壁が厚い敵にはアサシン闇討ち、回復厚い敵には戦士特攻、脳筋ギャンブルプレイ最強最強。
バトルはシンボルエンカウント方式で展開。
仲間同士の複数のコンボ技や各キャラクター専用のスキル技と究極技など王道でいてクラシカルなターン制バトルで、タイミングに合わせてボタンを入力することで強攻撃や強防御も可能。
敵の詠唱中は規定ターン数までの間に表示された属性の攻撃をヒットさせることでスキルロックが解除されるため、仲間の属性や攻撃の組み合わせなどを意識しながら行動する必要があり遊び応え十分。
さまざまな効果が付与された”秘宝”アイテムを任意でオン・オフ切り替えることで戦闘やゲームの難易度を常時細かく調整することが出来、その点もすこぶる優秀。
難易度を上昇させる秘宝では強攻撃や強防御必須のシビアな戦闘に様変わりするので、やり込みプレイの遊び幅もばっちり隙が無い。
クリア・トロコンまでの所要時間は40時間ほど。
尺稼ぎ的な要素は一切ないのでギュギュっと密なボリューム感と満足度は抜群。
トロフィー構成的にもバランス良く、時間をかければ誰でも達成できる難易度でした。
収集アイテムについては数がやや多いものの、"虹の巻き貝"を一定数集めて交換することで地図を開くとオウムがざっくり宝箱の在り処をナビしてくれるようになるので一安心。
『🏆華麗なテクニック』については、秘宝”匠の一手”の入手タイミング次第では1周で間に合わないので大人しく2周目(装備品などを引き継いだ強くてニューゲーム)で狙うのが無難かな。
期待して楽しみにしていたタイトルではあったけれど、あまりのクオリティと熱量の高さに心から感謝。期待値は軽く飛び越えてくださりました。
この時代のゲームに触れ育ってきた身としてはあまりのエモさにトキメキを抑えきれず睡眠時間ゴリゴリ削って夢中になってプレイする羽目に。身体はあの頃には戻れない、、、
もしドット絵ゲームのまま世界が推移していたとしても、テレビゲームは変わらず面白くて、きっと素晴らしかったんだろうなぁ
過去も未来もこれからも。世界に感謝🎮