クラウドパンクで迎える最初の夜
2020年10月15日発売。steam版は同年4月配信。
サイバーパンクな世界で働く運送ドライバーの物語を描いたアドベンチャーゲーム。
混沌とした近未来都市"二ヴァリス"にやってきた主人公"ラニア"は、浮遊型自走車という非合法的なトラック="HOVA"を有する"クラウドパンク"へ入社する。
ドライバーとして迎えた初めての夜。彼女は配達する荷物、時には人を運びながら様々なトラブルを潜り抜け、あらゆる出会いを経験し、果てにはニヴァリスに迫る危機へと直面する。
思いもよらない困難に見舞われつつも、自らの判断で決断していく彼女。
いやマジで初日の新人のこなす仕事量じゃない。
一夜で新天地の行く末をも決断する羽目になるラニアさん。非合法な会社とはいえあらゆる保障でその対価を掴み得て欲しい。
人間やオートマタ、クセの強すぎるアンドロイドが混在するこの世界。
空腹の労働者、人工皮膚移植を繰り返すパッチワーク、記憶を捜すご近所さん、雨に濡れたくないセックスワーカー、村上春樹構文の回りくどい私立探偵、スーパーハッカー、etc。
近未来なんだけれどどこか荒廃的で、嘘と欲望が渦巻くニヴァリス。
サイバーパンクでは定番の謎日本語もよく再現されていて、収集アイテムも含め探索するのも楽しかった。
ボクセルアート調で描かれたグラフィックもゲームの世界観とマッチしていて良かった。
HOVAの操作もとてもシンプルで、視点切り替えも一人称・三人称瞬時に切り替え可能。
テキストも、全編英語ながらフルボイスで再生される上ローカライズの日本語はほぼ完璧。
やや難解ながらもひとつひとつのイベントに込めらたメッセージはどれも好みでした。万人受けはしそうにないけどね。
不満点としては、会話の進行中に行動が制限されたり(会話が都度長い)、逆に会話がノンストップで進行するため目的との確認が同時にしにくい点。
おかげで突発で発生する時間制限有りレース要素がほんとに突発すぎて大変でした。(HOVAからかなり離れていて一個取り逃した。)
トロフィーも全部英語表記なので何個か翻訳かけながら集めてはみたけれど、攻略等見ずの自力解除で現在72%まで取得。
未だに0.0%扱いの「A Song about Home.(Complete the game)」は内容的にもトロフィーバグの可能性疑ってたり。
ほとんどがキャラクターアイコンを巡る過程で獲得できるものばかりだけれど、「Nivalis Tourist」(すべてのロケーションを巡る?)が獲得できなかったのが悔しかったり。
あとは「No Pressure」はたぶん前述した突発レースイベント全成功で解除と思われ。
食べ物屋の存在意義は最後まで分からず仕舞い。
クリア後即操作パートに戻されたからクリア後コンテンツあるー?と大分散策したけど見つからなかった…。これ未収集コンテンツ回収のためのアディショナルタイムだよね?ね?
サイバーパンクな世界観やSF好きにはグッとくると思うけど、正直最初の1時間は何やればいいんだ…どうすれば…な気持ちが過っていたことは白状します。
けれども時間の経過とストーリーが進行していく度にズルズルと世界観に魅了されていたし気付けば時間を忘れて遊んでました。
楽しもう!という姿勢大事。
いざハマれば非常に味わい深い、余韻の残る良い作品でした。クリアタイムは10時間ほど。
個人的にはとても面白かった。ラニアさんもハクスリーもカミュもベンもほんと好き。
トロフィー情報等出揃ってプラチナ報告上がるようになったらまた改めて遊んでみたいと思います。
サイバーパンク2077の発売延期の穴埋めがてら是非。