貴女が、私の全てだった
2020年7月30日発売。
ホラーアドベンチャーゲーム『夜、灯す(よる、ともす)。』
残暑にぴったりの、しっとりとした上品上質な百合ホラーでした。
お待たせしました今月の日本一ちゃんゲーです。
かつてお嬢様学校と呼ばれていた歴史ある学校、神楽原女学園。
夏休み明けのコンクールに向け、仲間と共に練習に勤しんでいた。
夏休みに入って間もないころ、箏曲の家元の娘、皇 有華が突然転校してくる。
珍しいタイミングでやってきた転校生。
鈴の夢の中に出てきた有華そっくりな「お姉さま」。
そして、時を同じくして起きた奇妙な転落事件。
神楽原女学園に隠された闇が動き出す…。
めっっっちゃくちゃに噛み砕いて言えば、
昔の幽霊にちょっかい出されつつ頑張る少女達のひと夏の部活奮闘記。
ホラー要素そこまで強くないので苦手な人は安心安全。
歴史ある学校での「疑似姉妹制度」、
琴の音色と共に、涼やかに、ひんやりと迫りくる「お姉さま」。
バッドエンドルートはゾっとくるものはあるものの
分岐自体とてもシンプルで、
というかフラグ的な物を立てる必要もない一本道なので
比較的心穏やかに物語を読み進められます。
ゲーム性やボリューム面が乏しいのは否めないけれど
登場人物がみんなとても魅力的かつ可愛くて、
ナチュラルで微笑ましい百合の世界がここにある。
明るい鈴ちゃんとエリート有華ちゃんがお互いの過去や家柄など諸々の心情で支え合っていく感じ、とても。とても良かった。
真弥ちゃんが暴走っぷりも有難かったし、麗累と見せかけてからの小夜麗&部長累良いぞ~~~良いぞ~~~。
最推しキャラの部長が早々に離脱してしまったのが悔やまれてならない。
エンディングもノーマル、トゥルー共に良かったです。しっとり泣いた。
百合ホラーゲームというより青春ストーリー成分強めで、百合度も恋愛というよりは友情寄りなのでやや控え目ではあったけれど、
読み物としてはとても面白かったです。
まぁ相変わらずフルプライスは強気設定すぎるけどね。
クリア所要時間は10時間足らずでした。ブーストも化。
欲言えば彼女たちをメインに据えた、「流行り神」的な連作怪異譚物も見てみたかったなぁ。
日本一ちゃんよろしくご検討お願い致します。