あなたが夜明けを待つのなら、それを告げるのがわたしの願い
発売日 | 2021年11月25日 |
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プラットフォーム |
PlayStation4/NintendoSwitch/ |
ジャンル |
タイムループアドベンチャー |
HP |
ヒバリが目を覚ますとそこは見知らぬ部屋、
そして同じ境遇の7人の少女と出会う。戸惑う少女たちの頭上からアナウンスが響く。
「建物から出られるのは、最後まで生き残った1人だけとなります」
「1秒でも長く生き延びられるよう、努力することをオススメします。
頑張れば、魔法だって使えるようになるかもしれませんよ」少女らの不可解な共同生活が始まってから数日、ついに事件が起きてしまう。
目の前で起きた死の光景を止められなかったことを悔やむヒバリ。
「あの子が死ぬ前に戻れたら……」翌日、目を覚ましたヒバリが食堂へ向かうと、
死んだはずの少女が昨日と変わらず過ごしていた―時 間 遡 行 能 力
この力があれば何度でもやり直せる。
絶対にもう誰も死なせない。
突然の監禁。不可解な状況に戸惑う少女たち。
そして差し向けられるデスゲーム。
「死」に対してトラウマを抱える主人公ヒバリは
突如発現した「時間遡行能力」を使って
誰一人欠けることなく、施設からの脱出を試みる。
タイムループ×推理×アドベンチャー。
お待たせしました今月の日本一ちゃんゲーのお時間です。
8人の少女と監禁、何も起きない訳もなく──
ってな訳でヒバリちゃんの願いも虚しく殺人事件は起きてしまいます。
謎のチューブが刺され、直前の記憶もなく突然閉じ込められてますからね。悲しいけど仕方がないよね。
それでも絶対に誰も死なせないと願うヒバリちゃんはタイムループを駆使して事件の引き金となる出来事や人間関係の再生などに尽力し、事件を未然に防ごうと奔走。
家庭の事情やトラウマもありやや引っ込み思案だったヒバリちゃん。
ほんとにほんとーにめちゃくちゃ頑張ります。
同年代ということ以外の共通点もなく性格も考え方もバラバラだった少女たちも、そんなヒバリちゃんの頑張りを見て少しずつ心を許していく。 まさにヒバリ無双。
敢えて言おう、私はこのゲームを百合ゲーとして推していきたいと!!!!!
全編に渡り男の影なし。
少女たちそれぞれのキャラクターやそれぞれの家庭環境、思考、トラウマ・・・。
みんなギュッと抱きしめてあげたくなるし、ヒバリちゃんが代わりにギュッと抱きしめてくれるので安心感抜群。むしろ全員がヒバリちゃん抱きとめてくれる幸せの世界。
時に加害者と被害者に分かれてしまう彼女たちだけれど、ヒバリちゃんパワーによってギクシャク感も自然に解消されていく感じは素晴らしくグッとキマシタ。
明るく元気にヒバリをサポートするマチネ。
委員長気質でみなを引っ張るコマリ。
控えめながらも優しいフヅキ。
華があり目を引く存在のスズ。
博識で独自の価値観を持つエノ。
ムードメーカーでサッパリとした性格のカリン。
自分を持ちズバっと物言うトウカ。
8人8様で魅力的な少女たちの掛け合いをただ眺めるだけでも楽しい。百合にも寛容な百合かわいい空気感。
個人的推しはトウカとスズでした。ペア的にはヒバマチ尊い。みんなとにかくかわよいよい・・・!
まるでキャラ萌えゲーかの如く書き進めているけれど、今作のジャンルはタイムループアドベンチャー。
探索パートでは定点カメラからの映像のように表示されるマップ内を移動し、施設からの脱出に向けて探索し、事件の真相や原因を調査。
主人公の時間遡行能力の有効時間は24時間。行動とともに経過する時間の中をタイムループを繰り返しながら物語を解き進めていく。
経過時間によって少女たちの出没場所や会話も変化していくため、各キャラクターの行動パターンを把握しながら主人公を操作し、ひとループの時間制限内にすべての証拠を見つけ捜査していく―――――
・・・とかだったらめちゃくちゃ面白かったとは思うんだけど、正直いって探索要素にそこまで緻密な駆け引きは存在せず、有体にいえばオマケ的雰囲気。
マップはそれなりに広く探索箇所も多いのだけれど、何のイベントとも関わらない空間も多く、フラグ進行の流れはやや不親切。
各キャラクターの出現場所のヒント等も特にないので、ひたすらに階層を往復し各部屋を探していく作業は正直かーなーり面倒くさい。キャラクターの出現そのものが少なく専用会話も少ないので探索のしがいが薄いってのもね・・・。
時間の巻き戻しはできるけれど時間の先送りは出来ないので、ただ放置して時間の経過を見守るだけの瞬間も何度かありました。
せめて出現場所がマップでアイコン表示されてたらな…。むやみやたらに往復したので今なら何も見ずに見取り図書けそうな気がしないでもない。
ノベルパートは推理ミステリーとしてもなかなか上手く出来ていたと思うし、仲間との絆や葛藤が描かれた解決パートは暖かくも爽快でとても良かった。
読み物としては本当に面白かったです。
すごく友情。
すばらしく百合。
それぞれの呼称が呼び捨てになっていくくだりほんと可愛くてね…!
未遂で阻止された事件の被害者と加害者がギクシャクしながら一緒に食事とってる描写とかほんと…!ヒバリちゃんのサポート力!みんなの寛容さ!良きですよこれは…!
チャプター的には全4章で、クリア&トロコンまでの所要時間は8時間ほど。
コンパクトにギュギュッとまとめられていて完結もスムーズで良かったけれど、ややボリューム不足なのは否めないかな。黒幕がただの黒幕という潔さや良し。
キャラボイスが無いのはむしろ雰囲気には合っていて個人的には気にならなかったです。システム面は可もなく不可もなく。UIはシンプルでお洒落。音楽◎。
ただしつこく言うけれど百合的にはかなり満足な内容で満々満足。
殺人事件が発生してしまっている人間関係をここまで心穏やかに優しい気持ちで受け入れられるのってなかなか凄いことなのでは?
長々と書いてますが言いたい感想一言でまとめると
私はとても好き。現場からは以上です。
虚無探索とボリューム不足はご愛敬。雰囲気抜群のやわらか世界。
トロコンも超簡単。ブースト目的でもいいのでぜひよろしくお願いします。