疑うな 畏れるな 知識は宇宙を救う
PSVita生産終了のアナウンスがあった約半年後の
2019年6月20日に発売されたPSVitaダウンロード専用タイトル
『グノーシア』
開発に５年を費やしたVitaの難産タイトルは
Vita最後にして最強の良ゲーでした。
グノーシアは嘘をつく。人間のふりをして近づき、だまし、そして身近な人間を一人ずつ、この宇宙から葬り去る――。
漂流する宇宙船内にて、人間を襲う未知の敵「グノーシア」に直面した乗員達は、誰が敵なのか分からない状況でこの危機を収束させるために、一つの解決策を試みる。 最も疑わしい人物から一人ずつコールドスリープさせ、船内に紛れ込んだ全てのグノーシアを活動停止させるのだ。
しかし、その人物が本当にグノーシアだったのか、あるいはスケープゴートにされた哀れな人間だったのか、知ることは難しい。
最後に笑うのは人間なのか、それとも――？
船内に潜むグノーシア感染者を議論によって見事コールドスリープさせれば人間側の勝利。
逆にコールドスリープを逃れたグノーシアが船員全体の過半数を上回ればグノーシア側の勝利という、いわゆる「人狼ゲーム」をベースとした本作。
「乗員」、そして敵となる「グノーシア」
調査によりグノーシアを特定できる「エンジニア」
コールドスリープされた人物 を診断できる 「ドクター 」
非感染が確定している「留守番」
グノーシアの脅威を防ぐ「守護天使」
グノーシアを崇拝し邪魔をする「AC主義者」
全てを破壊する存在「バグ」────。
議論に決着がつくとすぐに次の"ループ"が始まり、
再びグノーシアを暴くための議論が繰り広げられる。
ループする毎に変化するグノーシア感染者。繰り返される人狼ゲーム。
主人公とセツは終わりの見えないループの中で、たった一つの真実を探し求める。
開発者メンバー4人で作り上げたとは思えない抜群のクオリティ…！
主人公たるプレイヤーをぐぐいとループの輪に引き込んでいくシナリオ、
AI対戦の一人人狼ゲームとして申し分のない面白さ。
そして個性豊かで魅力に溢れた14人の登場人物たち、
人狼ゲーム初心者にも安心安全の懇切丁寧なチュートリアル＆ヘルプシステム。
かく言う私も人狼ゲームに触れたのは今作が初めての完全初心者だったのだけれど、
ループを繰り返すうちに自然とルールや立ち回り方や戦略が見えてきて気付けばクリアまで夢中になって遊んでいました。
人狼パートを繰り返す毎に経験値を獲得しレベルが上がるシュミレーションRPG的要素もあり、
レベルに応じて各能力値を自由に上げることが出来るのも今作が繰り返しやり込むことの出来るポイントの一つ。
最初は初心者ということもあってかほとんど勝利することが出来ず、どうしたもんかと戸惑いも多少ながらあったのだけれど、
能力値のおかげで周回する毎に「生き抜き方」のバリエーションが増えていき、面白さも倍増。
能力「カリスマ」によって発言の影響力が増え、
「直観」によって嘘を見抜くことが出来るようになり、
「ロジック」により論理的な答弁が可能となり、
「かわいげ」によって疑われ難く、
「演技力」により嘘が見抜かれ難くなり、
「ステルス」によって凍らされたり襲われ難く成長していく。
この能力値、ＣＰＵも各キャラの個性として持ち合わせていて
こちらがゲームに慣れるのと合わせるようにどんどん立ち振る舞いがイヤらしくなっていくのもニクい。ほんとよく出来てらぁ…。
キャラクターもひじょーーーーに魅力的で、14人それぞれ愛しくてたまらない。
先述通り議論中の立ち振る舞いもそれぞれ個性的で、グノーシア側・人間側どちらの役割になっているかによって各キャラクターが脅威となる瞬間も様々。
個人的にＳＱちゃんには翻弄されまくりました。
見た目かわいいは強い。
基本がギャルゲＡＤＶ脳なもんでＳＱちゃんからのお誘いには全乗っかりしてたので、敗因のほとんどが彼女起因の気がしないでもない。
はいかわいい。
私はループ１７４にて真相へと到達。
ループを繰り返す事によりストーリー進行フラグへと誘導してくれる「イベントサーチ」が使えるようになるので、トロコン含め特に攻略に悩まされることはなかったです。
真エンド突入条件は少し特殊だったけどね。
セツちゃんばっちしヒントくれるし、ゲーマーならばきっと分かるはず。
最初から最後まで、プレイヤー目線で緻密に設定されたゲームバランスが遊んでいて嬉しかったし、楽しかった…！
Vita終焉の時を止めた文句なしの傑作。
もし役目を終え眠りにつかんとするVitaがあるならば今すぐ叩き起こしてＤＬして欲しいし、仮に既に手元から旅立ってしまっていたとしてもどうにか手に入れて、グノーシアの世界に浸ってほしい。
全てのゲームVitaに発売しろが口癖のVita最愛ゲーマー大歓喜。
現行主力ハードに移植して爆売れして欲しい気持ちはありつつ
PSVita専売の知る人ぞ知るゲームとして語り継がれて欲しい欲もあったりします。
発売おめでとう、そしてありがとう。
