こ な げ ー R e t u r n s .

CSゲームの感想やトロフィー録など

幻世酔虎伝プラス

唸る鉄拳、飛び散る汗 魂をゆさぶる熱い拳法RPGが
Nintendo Switch™にて再び幕を開ける!

発売日 2023年11月30日
ジャンル

RPG

Store

幻世酔虎伝プラス ダウンロード版

プラットフォーム

  

 

幻世酔虎伝というゲームをご存じだろうか。

 

株式会社コンパイルが1990年代に刊行していた「Disc Station」。

付属のWindows用CD-ROMにはコンパイルや他社製品のさまざまなジャンルのオリジナルゲームが収録されていて、その中にはぷよぷよの原型となる「魔導物語(なぞぷよ)」もほぼ毎号収録。

 

幻世酔虎伝は、その中でもBOOKタイプとなったDisc Station第14号に収録されていたタイトルのひとつ。

 

 

ちょうど初代PlayStationの発売された時分。

パソコン関連の会社に勤めていた父の書斎に陳列されていたその香ばしい雑誌たちを父自ら熱心に収集していたのかは当時まだ幼かった自分には知る由もないけれど、「周囲の友達が誰も知らない秘密のゲーム」を遊ぶという特別な感情は、大人になった今でもゲームに対する興味関心を失わずにいる一つのきっかけになってしまっている気はしています。

 

あれから幾年も経ち、これまで周囲で一度も話題に挙がることのなかった「秘密のゲーム」を、自分だけの思い出として時々思い返しながら大事に記憶にしまい込んできていた訳ですが、発売から26年経ってまさかのリメイク版発売の報せ。

 

え、だって誰も知らないのでは?なぁぜなぁぜ?

 

 

リメイク初報からずっと半信半疑の中、改めてこれまで目にすることのなかった当時の話題とか経緯とかをネットで調べてみたんですけど、ディスクステーションって普通に有名だったし売れてるしなんなら韓国ではちゃめちゃに人気だったみたいですね。リメイク版発売、私のためかと思ったらめちゃくちゃ韓国ユーザーのためだった件。

すべての学校のパソコンにインストールされていたのは普通にビビるし、思い出補正的にも勝てまてん。

 

韓国では、コンパイルと韓国現地会社のコリアクロステクノロジー(KCT)の合弁会社である「コンパイルコリア」によって展開されており、1997年にリリースした韓国版『ディスクステーション』Vol.2に収録された『幻世酔虎伝』が爆発的なヒットとなった。DS Vol.2の在庫がなくなり、通信販売で申し込んできた客にKCTでゲームの入ったCDをその都度焼いて発送していたという。韓国のゲーム雑誌『ゲームピア』(KBS出版)の1999年4月号にも再録された。元コンパイル社長の仁井谷正充によると、最終的に、韓国のすべての学校のパソコンに『幻世酔虎伝』がインストールされていたという[1]。コンパイルは日本のゲーム会社で初めて韓国現地法人を展開したというのもあって、元々コンパイルの作品は人気が高いが、『幻世酔虎伝』が『ぷよぷよ』をしのぐコンパイルの代表作とされている。

幻世シリーズ - Wikipediaより一部抜粋

 

コンパイルは無くなり、父の書斎も改装整理され、もう二度と遊ぶことはないと思っていた幻世酔虎伝のまさかまさかの復活劇。

 

ありがとう韓国。ありがとう大元メディア。もう一度遊べる奇跡に감사합니다(カムサハムニダ)。

 

 

前置きが長くなってしまったけれど、本作のゲームジャンルはと言うと所謂王道のRPG。

幻世シリーズとしては第6作品目にあたり、過去作ではサポートキャラだったアターホーが主人公に抜擢。

 

過去作についての言及も至る所に織り込まれてはいるけれど、現状なかなか気軽に遊ぶ手段がないのは悲しいところ。

物語的には今作単体プレイで問題ないし完結しているものの、いつかシリーズ丸ごとリメイクして欲しい・・・。

 

 

バトルは往年のコマンド式のターン制バトルで、ストーリー進行やアイテムの獲得などで習得できる特技は使用回数により次々と熟練度が上がっていくシステム。

 

経験値が溜まるとHP/MP共に満タンに回復され、宿屋やセーブポイントでも気軽に回復することもできるので、全体としてのゲームの難易度はほどほど易しめ。

リメイク版では新たに戦闘スピードの倍速切り替えが追加されよりスムーズに。

 

 

ストーリーも基本的にはシンプルな一本道でカット可能なイベントも複数個存在するため、RTA的なプレイならばおそらく2~3時間程度でクリアまでたどり着くことはできてしまう。

 

元がディスクステーションの5~6本収録されたうちの1本、ということを考えると十分満足感高かったし面白くもあるのだけれど、このゲームの一番魅力的で奥深いところはというと「豊富すぎる隠し・チャレンジ要素」の存在。

 

 

先述した特技の熟練システムはもちろん、装備品の収集を始めとした宝物探し。

そしてダンジョン攻略は段階的にクリアを目指せる仕様になっていて、ストーリー優先であっさり離脱することも、中腹でひと段落つけることも、全ての要素を取りこぼさず最深部まで探索するやり込みプレイにもまるっと対応。

 

任意で攻略する試練も複数用意されているので、自分のモチベーションに合わせた攻略スタイルで毎回楽しめるのも、このゲームが何周しても飽きにくい所以たるところ。

 

 

ゲームクリア後にはリザルト評価的にゲームのやり込み度合を1~13段階で段位付けしてくれるので、見落とした要素を探し求めて繰り返しプレイするのも楽しい。

 

 

ストーリーもとても分かりやすく、ちょっぴりシビアな展開や恋愛模様も個性豊かなキャラクター達の軽妙な掛け合いとともにテンポよく展開。

 

特にアターホーおじさんとツンデレ娘リンシャンの淡い恋模様は渋くてかっこいいんや…!

幼き頃アターホおじさんのせいでケモ心芽生えた節すらある。罪深き虎。リンシャンはかわいい。

 

 

そしてBGMも種類こそ多くはないもののめちゃくちゃかっこいいんですよね。超大好き。

このタイトル導入昔から大好きすぎて無限に見てしまう。

 

 

強いて言えばロード速度だけはどうしても気になってしまったので、いつかトロフィー付きでPS版移植してくれないかなぁ、、、

 


プレイ前から思い出補正かかりまくってる自覚はあったけれど今改めて遊んでも十分楽しめたし、新たな発見もあって非常に面白かったです。

 

元々(もちろん)錯覚だったとはいえ、「誰も知らない秘密のゲーム」が自分だけのものではなくなるのはなんだか少し寂しさもあるんですけどね。

 

 

再び遊べたこと、そしてこれからいつでも遊べることに最大限の感謝を。

 

新たな「秘密のゲーム」を求めて、これからも人生を懸けて変なゲーム開拓していきたいと思います。