この痛みは、君の心に触れたから。
発売日 | 2021年9月9日 |
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プラットフォーム | |
ジャンル |
心の黎明を告げるRPG |
HP |
当初は購入そのものを悩んでいたんですよね。
というのも。そもそも私がゲームに関するブログを始めたきっかけが、某前々作に対してのこみ上げるものを吐露する場所を求めて、という酷く残念で気持ちの悪い感情が発端なもんでして。
シリーズに対して怒りや悲しみとも違う……ファンでありたいという気持ちを不安が上回ってしまう、諦めのような感情が酷く渦巻いてしまっていて……評判の高い前作ですらもいまいち心から楽しめなくて途中で積んでしまう始末。
そんなめんどくさい感情を持ちつつやっぱりテイルズの新作は買っておきたいという一種の義務感のようなガバッガバの感覚で、結局予約購入した上有給も設定してソワソワしながら発売を心待ちにしていたんですけどね。
前作から実に5年ぶりとなるテイルズオブシリーズ25周年記念作品。
生じる、立ち上がる、夜明け等の意味を持つ『ARISE(アライズ)』をタイトルに据えた最新作。
不安や諦めや私的感情の入り混じったごちゃまぜの期待感という名の壁をこれがテイルズだ!とばかりに正面から突き付けぶち壊してくれる、王道でいて挑戦的、テイルズの新スタンダートとしての位置づけが強く感じられる渾身の最新作。
あの作品から6年を経て、同シリーズ作品であるアライズにハッピーな感情を書き連ねられるってのが個人的にめちゃ感慨深くてありがたい気持ちでいっぱいです。
アライズ面白いぞ~~~~!やっほ~~~~ぃ!!
前置きやたら長くなりましたが本文も引き続きこのテンションでお送りします。核心的ネタバレはないはず。
事前情報避けてきたの意図せず正解だったなぁ。ほんと、最高でした。
隣り合うふたつの星、ダナとレナ。
300年前。自然あふれる世界であったダナは、高度な科学や魔法が発達したレナから突然の侵攻を受けて以来、終わりなき隷属を強いられることとなった。
ある日、鉄仮面に顔を覆われたダナの青年アルフェンと、同族から追われるレナの少女シオンが出会った。
この思いがけない邂逅は
ふたつの星の運命を揺るがす物語の始まりに過ぎなかった――
まずシナリオがいい・・・!
痛みを感じない主人公と、触れるもの全てに痛みを与える茨をまとったヒロインというこの取り合わせがまず最高。
物語を進めるごとに明らかになっていくそれぞれの謎、そして徐々に変化していく2人の関係性。
主人公が性格も立ち振る舞いも鉄仮面に覆われた顔面もすべてにおいてど直球イケメンで終始主人公然としているのが本当に気持ちいいし、愛しさと儚さとカッコよさを兼ね備えたシオンちゃんのツンツンっぷりも内情含めて最高でね…!
奴隷出身であるアルフェンの、支配者に対する強い怒りとそれに伴う目標もかなり明確で揺るぎないし、そんなアルフェンと行動を共にする仲間たちの理由もとても自然で説得力がある。
スムーズに物語が展開していくので序盤は辞め時を見失うくらい引き込まれる上、各街でのストーリーやボス戦での演出のどれもが遜色なくめちゃ面白い。
そして真相が一気に明かされる後半は衝撃の連発。積み上げてきた仲間との絆や主人公とヒロインの圧倒的な完成度も完璧。落とし方もたまらん。好き。最強。
この設定ならこんな演出あったらいいな~が軒並み回収されていく喜び。
テイルズを遊んでるな~という"らしさ"も魂が感じられる喜び。
キャラクターも本当にいい…!
不自然な発言をするキャラクターが存在しないってめちゃくちゃ素晴らしいことだな、と改めて。
最初は利害関係の一致という理由で行動を共にしている分やたらギスギスしたパーティーになっていたのに全く不快感がない。みんな発言や考えが大人。空気が読めないキャラもいるけどそれでいい、それがいい…っ!
そしてとにかく顔がいい。
シオンちゃんは本当にお顔が良すぎるな #TOARISE #PS5Share, #TalesofARISE pic.twitter.com/57dIawuqqE
— こなりた (@gamuaah) 2021年9月10日
かーっ!顔がいいー! #TOARISE #PS5Share, #TalesofARISE pic.twitter.com/sVT0ceNaRa
— こなりた (@gamuaah) 2021年9月11日
ギャグ的な展開も違和感なく盛り込まれていてうれしいし、台詞の掛け合いパターンやスキットも大変に豊富。
シリーズ定番の戦闘後リザルトでの決めポーズ会話がなくなってしまったのは最初は寂しさもあったけれど、その分バトルがスピーディーでリズムよく進むようになったし、それが結果的にとても好感触だったので必要な進化だったんだなぁって。さみしいけどね。
そしてバトルがめちゃんこ爽快!
通常攻撃がR1に割り当てられ、□△×に割り当てられた術技の使用には【AG(アーツゲージ)】を消費。
このAGは敵の攻撃をタイミングよく回避(R2)し反撃する【カウンターレイド】や仲間からの援護攻撃【ブーストアタック】を使えば常時回復するので、所謂ずっと俺のターン!がキメやすくなっていて爽快感抜群。
おかげでまだ序盤のほぼ素殴りコンボにて100連撃トロフィーの取得達成。きんもちいー!
【ブーストアタック】は敵の行動(突進、詠唱etc)パターンに対抗して阻害する効果があり、狙い済ませ敵を怯まることが可能。タコ殴リンク!
そしてコンボのヒット数や敵のHP残量を条件に発動する仲間との連携必殺攻撃「ブーストストライク】。十字キーに対応した仲間との派手でかっこいい必殺技が恐ろしいほどテンポよくポンポン発動できるのが楽しすぎる。ボス戦では演出とも絡めてあるのも気持ちいい。
そして忘れちゃならない【OVL(オーバーリミッツ)】ももちろん健在。もちろんカッコイイ。頻繁にOVL状態に移行するのでガンガン奥義が発動できる。
システムが洗礼されて技の発動や切り替えもとてもスムーズ。
ボタン操作でサクサク行動が起こせるので画面上のエフェクトがすごいことになるけれど、まったく遅延やバクやら起きないのは素直に感動。タイダルウェーブ連発しても全然重くならない…すごい…!
そして今作一番のバトル面での大改革はなんといっても【CP(キュアポイント)】。
このCPは所謂回復系の技の発動時にのみ消費するのだけれど、この数値をパーティーで共有して使用するというもの。
管理がしやすくなるという点ではとても分かりやすいし、通常技とは別枠なので攻撃技がガンガン発動できるように。
最初は結構戸惑ったし序盤はほんと苦しかったけれど、バトルの爽快感という意味ではかなり革新的でいいシステム変更だったんじゃなかろうか。
ところがどっこい。それに起因するグミ枯渇問題。
グミがとんでもなくお高い…!
設定上主人公もといダナは「奴隷」の星なので物価がクソ高い、ということらしい。にしても高いよ…高すぎるよ…!
加えて敵がお金を落とすこともないので、金策のためフィールドを探索しながら鉱石をあつめ、野菜を拾い、ドロップアイテムを取捨選択して…苦心してやっとの思いでどうにかたったひとつのグミにありつける始末。宝箱からグミが出た時の喜びよ…!
おかげで爽快感につられて脳筋になりがちなバトルも、死なないように…ケガしないように…の慎重プレイが強いられてシビれる瞬間の連続。当たらなければどうということはない…んだけどね…。
もちろんやりようがないことはないんだけれど、主人公が物語を進めて信頼を勝ち得るのと比例するかのように少しずつ懐事情に余裕が生まれてくる感じもなんだか現実味を帯びていて良かった。グミは一日にして成らず。
ただバトルでどうにかギリギリ耐えている状況の中、フィールドアクションでCPの消費を要求される瞬間があまりにも多くて精神的にとても苦しかったのがなんともね…。治療費1回3000ガルドください!
ギガントモンスターやフクロウ捜索などのサブミッション系や、寄り道的サブクエストも豊富で遊び心も十分。つりたのしい。
それでもネタ的な部分では過去シリーズに比べるとやや控えめかな。ただ温泉イベントに関しては歴代一で間違いない。
アクセサリーの強化でステータス爆上げできる感じもとても楽しかった。
トロフィーも順序良く遊べば1周でコンプが狙える辺りとても易しい。難易度も不問。
プレイ時間は70時間ほど。
かくいう私もテイルズシリーズのトロコンは今作が初めてだったり。過去作は50~80%で全部諦めてたんですよね…。むしろ簡単すぎて物足りなくすら感じるのはきっと調教され続けた成果。
難易度もほぼセカンドで進めたんけどどうにかなりました。やったね。
新生テイルズシリーズ再始動。
思い出補正かなぐり捨ててシリーズで一番好きな作品と明言したいと思える作品でした。大好き。本当に嬉しい。
シリーズ未プレイの人にも、離れてしまった人にも心からおすすめできる…!
一度信じられなくなってしまった人をも受け入れてくれるテイルズ純度の高い良作。
この作品にシリーズ全体の期待感を押し付けてしまいすぎるのは本意ではないし、キャンプ中の世界観ぶち壊しな主張の激しいDLC広告やその他諸々気になる点がなかった訳でもないけれど、
もう一度、テイルズを愛させてくれてありがとう。
今はその感謝の思いでいっぱいです。
6年の時を経てやっと完全に穢れを浄化することが叶ったので、これからもテイルズオブシリーズを愛して、応援していきたいと思います。
トロフィー説明文にも書かれてある通り追加DLCストーリーやダンジョンがくるのはほぼ確定っぽいので今から楽しみ!泣き虫アリーシャDLCの二の舞だけはほんっと勘弁してくれよな!
ちなみに最推しはロウ君です。ロウ君をどうもありがとう。