3つの絡み合った物語。1つの忘れられない冒険。
発売日 | 2021年7月22日 |
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プラットフォーム |
PlayStation®5 / Xbox Series X|S / Steam® PlayStation®4 / Xbox ONE / NintendoSwitch |
ジャンル |
アドベンチャー |
Store |
PSplusではEXTRA&PREMIUMにてPS4/PS5版が配信中。
インディーデベロッパーVariable Stateによるシングルプレイ・アドベンチャーゲーム。
現代のロンドンを舞台に、3人の主人公たちと怪しい緑色の光を軸に物語は展開。
まるで海外ドラマを観ているかのように登場人物たちの掛け合いやSFチックな冒険を経ながらそれぞれの主人公たちの物語のLast Stop=終点を目指します。
ロンドンの街にそれぞれの家族と共に暮らし、面識を持たない3人の主人公。
全6+αのチャプターストーリーは好きな主人公の順番からプレイすることが出来るものの、フラグ管理によるストーリー分岐などは特にないので気軽に会話のやりとりを選択しながら自由に進行できます。
- 中年シングルファザーのジョン・スミスは家庭と仕事のプレシャーに悩まされながらも一人娘とささやかな日常を過ごしていましたが、ひょんなことから20代独身のイケメン隣人:ジャックと身体が入れ替わる「君の名は」現象に巻き込まれてしまう。2人で協力しながらそれぞれの日常と元の身体を取り戻すために奮闘するハートフルでコミカルなストーリー。
- 元軍人でキャリア・ウーマンのミーナ・ヒューズは既婚者でありながらも常に野心的で、家庭では得られない満足感の発散やキャリアアップの努力を惜しまないやや自己中心的な女性。過激で刺激あるアダルトなストーリー。
- 高校生のドナ・アデレークは過保護で優秀な姉を持ち家庭生活に閉塞感を感じる中、友人たちとスリルを求め近所の謎の男を標的にアマチュア探偵ごっこをしたところ思いがけず誘拐犯となってしまう。ティーンエイジャーらしい葛藤とホラーを孕んだストーリー。
最終章になるまでそれぞれの主人公の分岐は交わることはないけれど、通行人としてニアミスしていたり、知人キャラクターが別の主人公とも関りがあったりとロンドンを舞台とした群像劇をコンパクトに体験することができます。
会話選択による細かなやりとりの変化やちょっとしたミニゲームのようなアクションはあるものの全体的にゲーム性はかなり低め。
受動的ながらもドラマ仕立てに展開していくストーリーはどの主人公も続きが気になる構成になっているのでスムーズに遊び進めることが出来、純粋に引き込まれました。
プラハ・フィルハーモニー管弦楽団によるオリジナルのサウンドトラックや、ドラマ的で引きのあるカット割り構成などはとても丁寧に描かれていて好印象。HEAVY RAINやDetroit: Become Humanからインスパイアを受けているようにも感じました。
プレイ時間は6時間ほど。
トロフィーはストーリー進行による自動取得と概要文を読むだけで把握できるものがほとんどなのでとても易しい。取りこぼしてもクリア後チャプター選択から再プレイが可能。
コンパクトながらインディーズゲームらしからぬ十分なクオリティ。遊びやすく自然と一挙プレイさせられてしまう魅力あるストーリー追従型AVGでした。
特にジョンとジャックのストーリーが良かったなぁ。
うだつが上がらない冴えないハゲ親父だと思っていたジョンの誠実で真面目な人間性が垣間見えるやり取りにはぐっときた。ジャックもいい奴。
ただしラストの3人のキャラクターが一同に会してからの展開については多少強引で、突然打ち切りになった海外ドラマ感は否めなかったんだけどね。
謎のまま終わってしまった部分などはプレイヤーの考察に委ねられている感じはします。オチの一部は本当によく分からなかった…!
日本語訳についてはストーリーを理解するには概ね問題ないけれど、いわゆる女言葉と男言葉がごちゃ混ぜになって口調がチグハグなのはそこそこ違和感ありました。
ハゲ親父ジョンの頼りなさを表現する意味ではオネエ言葉はある種効果的ではあるけども。
エンディング分岐は両方確認したけれど完全なBADとHAPPYが言い切られてない感じはすごく好き。全登場人物が幸せな終点を歩めますように。